DXと働き方改革の関係性とは?DXで実現できた推進事例をもとに徹底解説

働き方改革とDXには深い関係性があることをご存知ですか?そもそも働き方改革とは、多様性のある働き方を提案し、あらゆる世代が働き続けられることを目的にした取り組みのことです。

安倍政権が2016年から始めた活動であり、国民のより良い働き方を実現するためにも推進していかなければなりません。その働き方改革と相互関係にある概念がDX(デジタルトランスフォーメーション)です。

そこで本記事では、DXと働き方改革の関係性について、DXで実現できる働き方改革や事例を解説します。最後までご覧になることで、DXと働き方改革の推進方法が明確になるはずです。

DX事例

働き方改革とは?

そもそも働き方改革とは何のことを指すのでしょうか?まずは働き方改革の意味を明確にしましょう。

働き方改革とは多様性のある働き方を提案し、あらゆる世代が働き続けられることを目的にした取り組みのことです。これは安倍政権が2016年から始めた活動であり、日本国内の「労働」に対する課題解決を目指しています。なお、労働に対する課題は以下の点があげられます。

  • 少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少
  • 育児や介護との両立
  • 働き方のニーズの多様化

つまり、働き方改革を実現すれば労働者の働きやすい環境を構築できるとともに、理想とする将来に向かっていくことができるのです。

DXと働き方改革の関係性

ここまで、働き方改革の基礎概要について解説しました。最近、各方面から推進されているDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、この働き方改革と関係性はあるのでしょう?実はこの両者には深い関係性があり、どちらも推進しなければならない課題となっています。

企業側は働き方改革に伴う法整備により、「長時間労働の抑制」と「同一労働同一賃金」の義務化が余儀なくされます。これら法整備は労働者に対するメリットは大きいものの、収益性の観点から経営が困難になる可能性があります。そのため、働き方改革を推進する上で経営戦略を変革できない企業は、倒産などのリスクを抱えてしまいます。

そこで、企業の存続に必要となる概念がDXです。DXを推進することにより、働き方改革を進める際に問題となる収益性をカバーできます。つまり、企業がこのさき生き残っていくためには働き方改革とDX推進を常にセットで推進する必要があるのです。

DXで実現できる働き方改革3つ

DXと働き方改革の関係性については大まかに理解できたでしょうか?続いて、DXを推進することで実現できる働き方改革を3つ解説します。DXと働き方改革の重要性を強く認識できるはずです。

業務効率化

DXで実現できる働き方改革1つ目は、業務の効率化です。これは、電子承認システムや電子契約システムなどがITツール、もしくはデジタル技術を活用することによって効率化できるためです。

いままで紙で作成していた資料やハンコ承認などが見直され、情報のデータ化がされるとともにクラウドを使ってスムーズな共有が可能となります。それに伴い、1つひとつの業務にかかる時間が短縮されて効率化に期待できるのです。

テレワークの推進

DXで実現できる働き方改革2つ目として、テレワークの推進があげられます。従来の業務をデジタル化することで、ほぼすべての仕事をオンラインで完結できるようになります。それに伴い、会社に出社する必要がなくなるほか、社員に対してパソコンやスマートフォン、タブレットなどの支給が一般化するため、DXによってテレワークが推進されるのです。

いままで出退勤にかかっていた時間が省かれ、リモートにおけるビジネスを展開しやすくなります。このように、DXを推進すれば在宅勤務における働き方改革が実現できるでしょう。

労働時間削減

3つ目に考えられるDXで実現できる働き方改革は、労働時間の削減です。これは、DXにおけるRPAを活用して実施することが多いです。RPAとは、手作業で行っていた業務をロボットが代行する仕組みのことを指します。

このRPAを用いて従来より行っていた事務的な作業が自動化されることで、従業員の業務負担をその分軽減できます。結果として労働時間の削減につながるほか、従業員は別タスクに時間を割くことも可能です。

DXで実現した働き方改革の事例4つ

ここまで、DXで実現できる働き方改革を解説しました。それを踏まえて、DXで実現した働き方改革の事例を4つみていきましょう。DXと働き方改革の両方をより明確化できるはずです。

名刺管理ツールによる働き方の変化

まず1つ目の事例として、名刺管理ツールによる働き方の変化をご紹介します。これは、福岡県の北九州市役所による推進事例であり、職員の働き方を見直すために名刺管理ツールを導入しました。

この名刺管理ツールの導入により、各部署が所持している名刺を出会った経緯や取り組みも含め、ほかの部署とスムーズに共有できるようになりました。また、情報の検索性が高まったほかコミュニケーションの質も向上しています。ほかにも、名刺管理ツールを導入したことで業務全体の生産性向上につながっています。

上記のようにツールを活用して生産性を向上させた結果、顧客・訪問リストの作成時間を短縮につながり、業務時間を大幅に削減できました。このことから、DXと働き方改革を推進したことで業務を効率化しただけでなく、さまざまなメリットを見出しています。

RPA導入による労働時間の削減

DXで実現した働き方改革の事例2つ目は、RPA導入による労働時間の削減です。

業務の生産性向上や働き方改革を推進させるため、物流企業の日本通運は企業のDX化を積極的に進めています。RPAを導入したのは2018年からであり、複数機器の制御・操作ができるロボットを約1年間で合計100台導入しています。それに伴い、従業員の労働時間を年間6万時間以上も削減しています。

その後、さらにRPAの導入を加速させ、2020年3月時点では125項目の業務をロボットによって自動化。その結果、約34万時間もの業務時間の削減を実施しました。

日本通運はさらなる目標として、2021年度末までに従業員の労働時間を合計100万時間削減すると掲げています。そのためにも、日本通運はさらなるRPA活用施策を進めています。

RPA活用による人材不足の解決

DXで実現した働き方改革の事例3つ目として、RPA活用による人材不足の解決があげられます。岡山市ののぼり屋工房株式会社は、従業員の異動によって起こる職場の人材不足が長年の課題でした。

主に自社製品の受発注管理が手薄になりやすく、見積システムから基幹システムへの入力などを要することから、1日5時間分の追加業務を行っていました。

そんな状況も相まって新規従業員の採用があまり見込めなかったため、のぼり屋工房株式会社は代替案としてRPAを導入。このRPAを導入したことがきっかけとなり、いままで従業員が対応していた業務のうち、3〜4時間分をロボットによって自動化しました。

このように、のぼり屋工房株式会社はDXを推進したことで業務調整力が高まり、企業としての成長を促進させています。

AIの活用によるデータ入力時間の大幅短縮

最後に紹介するDXで実現した働き方改革の事例は、AIの活用によるデータ入力時間の大幅短縮です。このDXを推進したのは、オーダーメイドスーツを提供する株式会社FABRIC TOKYOです。本事例では従来の業務にAIを取り入れたことにより、生産性の大幅な向上を実現しています。

FABRIC TOKYOが手掛けるサービス内容は、店舗で採寸した情報をもとにしてオンラインでスーツを注文するというものです。DXの導入前までは店舗で採寸した情報を手書きメモとして残し、後ほど従業員がシステムに手入力していました。採寸の件数が少なければ問題ありませんが、量によっては従業員の負担となってしまいます。

そこで、FABRIC TOKYOは伝票の文字を読み取り、採寸データをクラウドに保存できるAIを導入しました。データ入力を自動化することにより、1件あたり約15分かかっていたデータの入力作業を約2分に短縮しました。結果として、DXを推進したことで従業員の業務を月間180時間も削減しています。

DX推進と働き方改革の実現に向けた4つのステージ

前項では、DXで実現した働き方改革の事例を紹介しました。では最後に、その導入事例をもとにしたDX推進と働き方改革の実現に向けたステージをみていきましょう。ステージは以下の4つが考えられます。

ステージ1:ロケーションフリー

はじめのステージはロケーションフリーです。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、リモートワークが一般化しつつあるいま、多くの企業がリモートワークのための環境整備に追われることになりました。

PCやタブレットの支給、ビジネスチャット、勤怠管理ツールなどはもちろん、セットアップやVPNの設定といった設備的なサポートも必要です。また、働く場所が多様化したことでさまざまな課題が生じていることから、その課題に対する解決策を考えていかなければなりません。

ステージ2:情報共有/連携

ステージ1を抜けると、情報共有・連携が必要となります。業務をする場所が変わった分、作業の進捗やデータの共有が疎かになりやすく、従業員同士の連携が難しくなっています。また、会社に行かなければ入手できない書類があるなど、在宅勤務をするにあたって何かしらの弊害が生じています。

これらの課題を解決するためにも、社内の情報をデータ化し、情報共有と連携を促進していく必要があります。この際、情報共有は同じ部署内だけでなく、社内全体で共有するためのシステム構築も課題となります。

ステージ3:生産性向上

ステージ2の課題を解決したあとは、生産性の向上を目指します。業務のデジタル化を推進させる上で、そのプロセスをどう活用するのかを考える必要があります。

例えば、同じ部署内で課題解決を行わず、企画部が入手した情報を営業部が案件化し、さらに技術サイドが解決に導く、といったようなプロセスの意識が大切です。この一連の流れをデジタル化によって実現すれば、常に改善を図れる組織に成長できるとともに、生産性の向上に期待が持てます。

ステージ4:DX

ステージ3をクリアしたらDXを実現します。そのためにも、社内の従業員だけで課題解決に取り組むのではなく、お客様を巻き込んでいく体制を取る必要があります。

従来より取り組んでいた業務はそのままで、インターネットを使った新たな戦略を立案していきましょう。例えば、ウェブページを使った販売経路の構築、SNSや口コミサイトを使った販売推進などがあげられます。

上記のように、社内全体とお客様を連携させることで、既存ビジネスモデルの変革が実現します。なお、ステージ4のDXを実現するためのプロセスは、IT・DX部門の従業員だけが取り組むのではなく、あくまで経営陣が積極的に実行しなければなりません。ほか従業員のモチベーションを保つためにも、役割に囚われずに推進することが大切です。

まとめ

本記事では、DXと働き方改革の関係性について、DXで実現できる働き方改革や事例を解説しました。

働き方改革とは多様性のある働き方を提案し、あらゆる世代が働き続けられることを目的にした取り組みのことです。この働き方改革を実行する上では、DXの推進がキーポイントとなります。

働き方改革とDXをセットで取り進めることで、さまざまなメリットが実現できるため必ず押さえておきましょう。両者のイメージがまだ明確ではない方は、ぜひもう一度本記事の内容を参考にし、DXと働き方改革の理解を深めてみてください。

「What'sDX」編集部

執筆「What'sDX」編集部

これからDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組もうとしている、既に取り組んでいるみなさまのさまざまな「What’s DX?」の答えやヒントが見つかるサイト「What'sDX」の編集部です。